禁煙・喫煙問題

 気をつけて書かないと「炎上」しそうなネタなので、気をつけて書きます。
 いま私は、マイルドセブン・ライトというタバコを吸いながら、『限界の思考』という本の校正をしています。わが賃貸アパートは3部屋あって、そのうちの1部屋の、さらに半分のスペース(約3畳)が双風舎の居場所です。わが家でタバコを吸えるのは、双風舎が含まれる部屋だけです。そうしている理由は、タバコの煙が、子どもの健康に悪影響をおよぼす可能性があるからです。
 外出時には、携帯灰皿を持っていきます。歩行喫煙が条例で禁止されている市区町村にいるときには、外でタバコを吸いません。禁止されていない市区町村にいるときには、できるだけ人のいないところで、タバコを吸います。食堂や喫茶店では喫煙席で吸い、昨日いった動物園では喫煙所で吸いました。
 他人と珈琲を飲んだり食事をしたりするときには、まず相手に喫煙可能かたずねてみて、可能であれば吸うし、不可能であれば吸いません。で、ほんとうは吸ってほしくないのに「吸っていいですよ」という方も多いので、そういう雰囲気を察知した場合には、吸わないことにしています。
 思い起こせば、カンボジアに滞在した10年間で、20回以上、プノンペン〜東京間を飛行機で往復しましたが、いつのまにか喫煙席がなくなっていました。途中で立ちよるタイのバンコクでは、立ちよるたびに全面禁煙の場所(レストランなど)が増えていて、驚いたおぼえがあります。
 さて、禁煙・喫煙問題。私は、タバコを吸わない方に配慮をしたうえで、地域や場所の方針を尊重する、すなわちマナーを重んじたうえでタバコを吸うぶんには、何ら問題がないと思っています。

 なんでこんなことをいきなり書いたのかというと、以下の投票結果およびコメントを読んだからです。

 http://hotwired.goo.ne.jp/webvoter/

 いとうせいこうさんがやっているこの投票システム自体は、とても面白いものだと思うし、いろんな意味で参考になります。だがしかし、現在の投票テーマである「あなた的には、『喫煙』ってどう?」の投票結果(現在進行中)には驚きました。「禁煙がいいに決まっている」の投票数が、圧倒的に多い。そして、「禁煙がいいに決まっている」に投票している方たちのコメントを読んで、また驚きました。喫煙者が非喫煙者に、これほど嫌がられているとは……。
 まあ、嫌がられていることを自覚しつつ、しっかりとマナーを尊重したうえで、今後も私はタバコを吸い続けるわけですが……。「炎上」しないように気をつけながら、ただひとつだけいいたいことがあります。あまり酒が好きではない私にとっては、「禁煙がいいに決まっている」に投票した方のコメントの「喫煙」を「飲酒」に入れ替えると、「禁煙派」の言い分のほとんどに同意できてしまう、ということです。
 けっして免罪符的にいうわけではありませんが、酒にしろタバコにしろ、嗜好品にはある種の文化があるわけでして……。合理的な考え方を突き詰めれば、きっと酒もタバコも、いまごろは世の中から消滅しているような気がします。いま酒を飲んだり、いまタバコを吸ったりしているのには、合理では割り切れない何かがあるからなのでしょう。
 「だからタバコを吸ってもいいんだ」などというつもりは、まったくありません。でも、あまり強硬論を振りかざしていると、それが違うネタで、ブーメランのごとく自分に返ってきてしまうこともありえるわけでして。そのへんの微妙なさじ加減をお互いに気づかいつつ、世の中はまわっているような気もするわけでして……。