サブカル誌から「政治を考える」

lelele2007-07-11



STADIO VOICE 8月号。
特集は「政治を考える」。


ひさびさに雑誌をジャケ買いしました。
表紙に、横尾忠則「理想の実現」(1994)を持ってきて、隅っこに「政治を考える」と書かれていたら、松田優作でなくても「なんだごりゃ〜!」と手に取らざるをえませんでした。


特集「政治を考える」の主な構成は以下。

HELLO,JAPAN,HOW ARE YOU … 対談 田中康夫×宮台真司
WAR OR UNION … 対談 小熊英二×雨宮処凛

ナショナリズム自衛権 … 大澤真幸インタビュー
政治問題としての若者 … 本田由紀インタビュー
国際政治 … 田中宇インタビュー
カルチャー、メディアと政治 … 竹熊健太郎インタビュー
男と女の政治学 … 対談 斎藤環×澁谷知美
RISK&SECURITY … 鈴木謙介

外山恒一インタビュー

コラム … 水越真紀栗原裕一郎、高祖岩三郎、三田格

田中×宮台対談は、いつも宮台さんから聞いている話の再確認といった感。
小熊×雨宮対談は、とてもおもしろかったです。とくに小熊さんの若者分析は、最近目立つ「決めつけ型若者論」とは異なっていて、刺激となりました。「格差社会に反対ですよね、ならば靖国参拝も反対ですよね」とか「日の丸掲揚賛成ですよね、ならば自民党の政策にも賛成ですよね」といった、サヨクとウヨクの「ワンセット押しつけ」が、もはやナンセンスであるという指摘にもうなづきました。
インタビューについては、すでに聞いたり読んだりしたことがほとんどで、新鮮さは感じませんでした。
コラムでは、栗原さんの二本に読みごたえがありましたが、ほかのはヘンに政治がかっているような気がしました。


私にとっては、旧聞に属するネタが多かったこの特集ですが、構成は秀逸だと思いました。ていうか、約半分くらいの論者が双風舎に関わりのある方であり、つまりは私が注目している方がた。その他の論者についても、私が話を聞いてみたい人ばかり。特集を構成した柄甚原権三さんがどなたかは存じあげませんが、きっと私にとっては、酒場でビールを飲みながら話をしたら、楽しくなりそうな予感のする方なんだろうなと、勝手に思いました。


それにしても、アート系もしくはサブカル系の雑誌である「STIDIO VOICE」が政治の特集を組んだのは、創刊30年にして初めてのこと。その英断にエールを送りたいと思います。いろいろ書きましたが、本号は、最近の政治にまつわるトピックスについて、「何が問題になっているのか」、また「さしあたり、どうすればいいのか」を短時間で理解するのには、絶好のものとなっています。
ぜひご一読を!