立川談志、福田和也を煙に巻く

 東京MXテレビという、東京ローカルのテレビ局があります。正直にいって、あまり面白い番組はやっていません。とはいえ、気になる番組がひとつだけあります。それは「陳平・談志の言いたい放だい」という番組です。毎週土曜日の11時から1時間ほどを放映しています。
 タイトルのとおり、野末陳平さんと立川談志さんが幅広いテーマに関して好き勝手にしゃべる、という番組です。そのトークに、毒蝮三太夫さんや西部邁さん(!?)ら常連ゲストがからんでいく、というパターンです。よくいえば、還暦をすぎたおじいさんたちによる辛口世論批評。悪くいえば、おじいさんの戯れ言を垂れ流しているだけの番組。
 この番組が気になる理由はただひとつで、立川談志さんの語りを聞きたいからです。

 昨日の朝、徹夜明けに、6時からやっている同番組の再放送を観ました。すると、ひとりおじいさんではない人が出演していました。その人は、なんと福田和也さんでした(ちなみに、あえて保守の立場をとりながら批評をつづける彼のスタンスを、私は嫌いではありません)。
 この日のメインーマは、総選挙でした。あの談志師匠に対して、福田さんがどのように斬り返すのか、興味津々で話を聞いてました。すると、福田さんはぜんぜんしゃべりません。談志師匠のキャラが強すぎるうえ、その発言が「辛口」をとおり超したものであることから、福田さんは「そこまでいって、いいのかよ?」といった感じでほほえみ、ぽつぽつと語るのみ。談志師匠が福田さんを煙に巻くその光景が、ただただ、とても面白かったのです。