編集実況 ――『限界の思考』終盤――

 Mさんから「あとがき」の原稿が入る。おそらく私は、筆者の次にそれを読んでいるわけだが、『挑発する知』をつくっているときに、姜さんの「あとがき」を読んだときと同じような感動をおぼえた。売れる売れないは抜きにして、「この本をつくって、よかったなあ」としみじみ感じた(編集屋の自己満足を垂れ流しているようで、申し訳ありません)。この「あとがき」は、近日中にMIYADAI.comで公開されると思うが、それに先行して「あとがき」のなかの数行だけ、以下にコピーしておこう。Mさん、お許しくだされ。

 でも、まさかこうした対談集になるとは思っていなかった。当初から決めていたのは、「自分の思考と実存との関係について徹底して語る」ということだった。結果的にみれば、私自身はこれ以上あり得ないほど語りつくした。その意味で、まるで遺作のごとき趣きだ。

 このMさんのコメントを読んでいただければ、もう『限界の思考』の内容の詳細を説明する必要はあるまい。本文には、長らくお待ちいただいた分の付加価値が、十分に盛り込まれている。偉そうな物言いになってしまうが、MさんもKさんも、ほんとうによく喋り、よく書いてくれたと思う。

 今週末からは、怒濤のゲラ読み作業が待っているが、そんなことはどうでもいい。あとは、できるだけ早く、確実に、読書人や書店人のもとへ『限界の思考』を届けることが、私の使命だと思う。
 みなさん、あとちょっとだけ、お待ちください。