タリウム事件・コメンテーター・ワイドショー

まずは、これを読んでみてください。
http://www.wbbs.jp/user/ootsuki/blog/archives/2005_11_4_191.html#trackbacks

ロブ大月さんの見解は、まっとうだと私は思います。テレビや雑誌にて、したり顔で語る「評論家」や「精神科医」のコメントは、まゆつばなものばかり。畑違いなことでも、よく知らないことでも、平気でコメントをしてしまう人たちは、高額なテレビ出演料をもらう。まっとうなコメントをするロブさんは、日々の生活におわれている。「時間の穴埋め」のために、いい加減なコメントを垂れ流すワイドショー。それを製作しているテレビ局プロパーの人びとも、たいへんな高給取り。
いつもアンテナを張り巡らして、こういうときにロブさんからコメントをもらうようなディレクターやリサーチャーは、いないのでしょうか(もしいたら、ごめんなさい)。あの少女と潜在的な部分で似ている中高生なんて、たくさんいるんだから、今後もいろんな問題がおきるでしょう。そういうときに、ロブさんにサッと連絡をとって、コメントをもらい、高給コメンテーターの報酬の一部をロブさんに分配するくらいのことは、してもいいでしょ、ディレクターさん。そういう姿勢こそ、メディアが業界ぐるみで(エラそうな物言いで申し訳ありませんが)フリーライタールポライターを育てるってことに、つながるんじゃないのかなあ。
以上ではロブさんの名前を使わせてもらいましたが、ネタや分野によって、テレビでも適切なコメントができそうなフリーライタールポライターは、たくさんいます(ねえ、渋井さん)。で、大御所をのぞいた彼らは、ほとんど日々の生活におわれています。高給コメンテーターの報酬を彼らに分配し、彼らの取材環境を整えることは、テレビにとっても大きな利益になると思うのですが。
高給コメンテーターを起用するのは高給ディレクターや高給プロデューサーであり、その組み合わせで制作されるワイドショーのレベルが低下しているということは、つまり「高給」だと「レベルが低下」してしまう可能性がある、ということを示しているのでは? (ぜんぶが全部、そうだとはいいません。あくまでも「可能性がある」ということです。ディレクターのなかには、下請け低報酬でやっている人もたくさんいますから)
私自身は、本を出しながら、死なない程度に生きていければいいと思っているので、高給な方がたをストレートに「うらやましい」とは思いません。一方で、カネは無いよりあったほうがいい、というのも正直なところ(日々の資金繰りにおわれつつ……)。なんか矛盾していますが、やっかみやねたみで、こんなことを書いているわけではない、ということは確かです。
では、どうして書いているのかというと、高給な方がたが集まって制作される番組が低質であり、その方がたが潜在的な取材力(優秀なフリーライタールポライターの力)を活かしきれず、その方がたに番組の質を向上させる気概も能力もないのだとすれば、もしかしたらその高給は「無駄金」なのかもしれない、なーんて一瞬だけ思ったりしたからです。まあ、その「無駄金」を私が直接払っているわけではありませんが、「広告宣伝費」としてあらゆる商品に加算されているお金で、民放のテレビ番組がつくられていることを考えると、「メーカーさん、『無駄金』を節約して、商品の代金を安くしてくれるか、ワイドショーの質が上がるよう、テレビ局に働きかけてくださいよ」と言いたくもなります。
テレビは好きだけど、最近のワイドショーは見る気がしなくなってきました。

タリウム事件については、こちらも参考になります→http://d.hatena.ne.jp/hatesbtetuya/20051104