双風舎からのお知らせ――仲正×北田トークセッションについて 2――

仲正昌樹さんと北田暁大さんのトークイベントに関する議論が、ここ数日、拙ブログをはじめ、その他のブログ日記で話題になっております。同イベントの講師である仲正さんと北田さんにもコメントをいただきました。 以下では、仲正さんのコメントをうけるかたちで、同イベントを企画した双風舎としての見解と謝罪の言葉を述べさせていただきます。

まず、トークイベント前後の事実関係を確認いたします。
第2回目のトークに関して、北田さんと双風舎とのあいだで、内容に関する事前の打ち合わせと呼べるものはありませんでした。議論の前ふりとして『デリダの遺言』に北田さんが触れることを確認したのみです。したがいまして、第2回目のトーク開始以前に、北田さんと三省堂、そして双風舎のあいだで、企画を中止にするような申し合わせも当然のことながら、一切ありませんでした。さらに、第2回目のトーク終了後も、北田さんは「本の企画は降りたいが、3回目のトークは予定通り参加します」とメールで私に連絡をくれました。

つまり、北田さんはトークを継続する方向で考えていました。とはいえ、本の企画が頓挫した以上、このトークは第2回で終了にしてはどうかと、私から北田さんに問いかけました。同時に、12月11日のトークは仲正さんの単独(私は補助役)でやってはどうかと仲正さんに確認しつつ、実施の可能性を三省堂さんに問い合わせました。三省堂さんからは、基本的にはトークイベントはふたりでやるものなので、12月分に関しては残念だが中止にしてはどうか、という回答がありました。こうして、第3回のトークが中止となり、そのことを仲正さんと北田さんにお伝えしました。

以上のような話がすすむなかで、北田さんは前述のとおり「デマやうわさが広がることを避けるため、また悪意のある宣伝をする人に口実を与えて、余計にシニカルな状況を作り出さないためにも、3回目もやろう」と私に伝えてきましたが、双風舎から中止の連絡をうけたわけです。くわえて北田さんは、以上のようなことを「仲正さんに伝える前に、中止が決まってしまった。よって、第2回トークのやりとりを勘違いして理解した人たちに対して、仲正さんが意見を発する機会をなくしてしまったことについては、申し訳なく思っている」と私にいっていました。しかし、それを仲正さんに伝えるタイミングを逸してしまい、結果として放置したような状況になってしまいました。この点については、いまさらながら、深くお詫び申し上げます。

以上のようなかたちで、第2回の仲正×北田トークが実施され、第3回の同トークが中止になるという流れのなかで、あたかも「仲正さんが統一教会の偽装脱会信者であるかのようなデマ」が発生してしまいました。このデマが、まったく根拠のないものであることは、読者よりも仲正さんと近くで接している担当編集者としての私が、もっともよくわかっていることだといえます。 よくわかっていながら、デマを放置し、そのデマに対して、仲正さんが拙ブログのコメント欄で反論せざるを得ないような状況をつくってしまった双風舎の責任は、重いものだといえます。そして、こうした対応の遅れについて、仲正さんが憤慨されるのは、至極当然のことだと考えます。

仮に、第3回の同トークを実施していれば、こういったデマに対する意見や批判などを、仲正さんが公的に表明することが可能だったかもしれません。同トークの継続を中止にすることにより、仲正さんからそういう機会を奪ってしまったことの責任は、すべて双風舎にあります。 以上のことから、仲正さんに関する名誉毀損的なデマやうわさが、まったく真実とはことなることを示すためにも、もう一度、トークイベントを開催させていただくべく、仲正さんに問い合わせているところです。 その場で、仲正さんには今回の事態の問題点を述べていただくとともに、双風舎が至らなかった点について、正式にお詫びできればと考えております。

最後になりましたが、トークイベントが発端になり、仲正さんに対するデマやうわさが流れてしまったのにもかかわらず、イベントを企画した双風舎の対応が遅れてしまったことを、仲正さんに深くお詫び申し上げます。