久々の編集日記(および現状報告)

すごく久々に編集日記などを書いてみます。
といっても、ずいぶん先まで新刊を出す予定がないので、編集というよりも「仕込み」日記といったほうが正しいかもしれません。

チマ・チョゴリ本は、著者の韓さんが学業に忙しいため、昨年末からストップしています。まだ初校ゲラも出ていませんし、装丁も決まっていません。時事ネタというわけでもないので、のんびり取り組もうと思っています。

もうひとつの企画は、順調に進んでいます。というか、いまはこの企画の「仕込み」を懸命にしているところです。まだ内容をくわしく公表できませんが、そうそうたる執筆者がそろいそうです。すべてを紹介するとネタバレすると思われるので、主な執筆者のみを紹介します。
精神科医の斎●環さん、社会学者の鈴●謙●さん、SF評論家の小●真●さん、社会学者の宮●真●さん、社会学者の上●千●子さん、などなど。けっして社会学に肩入れしているわけではありませんが、弊社の書籍にはなぜか社会学者の執筆者が多いんですよね。その理由は、別の機会に書こうと思います。
ぜひ漫画家の方にも参加していただきたいと思っているのですが、なかなかうまくいきません。引き続き交渉をつづけていきます。

たまには在庫情報を。『デリダの遺言』は発行部数2000部(2刷)で、在庫は392部。在庫には返品分の66部(返品率4.1%)が含まれます。『限界の思考』は発行部数8000部(2刷)で、在庫は834部。在庫には返品分の171部(返品率2.4%)が含まれます。
これから返品が増えるとはいえ、発売から3カ月以上が経過していることから、この2冊の返品率は、おそらく10%以下になると思われます。

この返品率の低さについていえることは、第一に著者の力によるものが大きいです。第二に、大手取次をとおして大規模な配本をせず、事前注文によって「弊社の書籍を売ってみたい」という意思のある書店のみに配本していることが、功を奏していると思われます。もし大手取次に配本を依頼していたら、『限界の思考』ならば初版8000部で、すぐに2000〜4000部くらい重版となり、3カ月後には2000〜3000部くらいの返品がやってくる、ということになるのでは。

弊社の本が欲しくない書店も含めて、できるだけたくさんバラまいて露出度を高めたことにより、案の定、弊社の本が欲しくない書店から返品がたくさん返ってくる。これって、版元にとっては納品作業のムダとなり、書店にとっては返品作業のムダですよね。このムダな作業をすることによって、誰かが儲けているんでしょうか?
弊社の場合、こういったムダが、「書店が売ろうと思って置いてみたが、売れなかった」というような、書店も版元もあきらめのつく最小限のものにとどまっているのだと思います。

とはいえ、なんといっても弊社の本を買っていただいた読書人の方がたに、深く深く感謝しなければなりません。版元が自信作をつくっても、それを書店人が棚に積んでみても、けっきょくは読書人に買っていただかなければ仕方がありません。
デリダの遺言』と『限界の思考』を買っていただいた方がたに、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!
そして、これからも何卒よろしくお願いいたします。