求められない女

新潮45』の名物編集長・中瀬さんのおすすめで、加納梨津さんの『求められない女』を読みました。
セックスレスによる離婚を経験し、その後に出張ホストを買ったりしつつ(いまは買っていないそうです)、子どもを育てているフリーライターによる赤裸々な手記、とでもいいましょうか。

切実だなあ、と思いました。同情しても仕方がありません。がんばれよ、なんて無責任には言いません。ただし、離婚前の加納さんのような家族は、山ほどあるんだろうなぁ、と想像しました。そして、そういう家族は加納さんの問題提起や問いかけを、いったいどう受けとめるのだろうか、と思いました。

最終章あたりは、ちょっとノスタルジックでベタな記述になり、ささっと読んでしまいました。とくに、専業主婦が出張ホストを買うのが許せないという記述には、すこし抵抗を感じました。どうだから買っていいとか、どうだから買っちゃダメとかいう問題なのかなあ、と思ったのです。しかし、前半からなかばにかけては、かなり読みごたえがあります。
こういった本は、いいとか悪いとか安直に批評するのではなく、まずはこういう状況の人がいるということを知るという姿勢で読むのがよいかもしれません。

装丁は、かっこいいです!

加納さんのブログはこちら→ http://blog.livedoor.jp/kanoritsu/

求められない女

求められない女