JR福知山線脱線事故から2年


あの事故から、もう2年が経ったんですね。


昨日の午前中にテレビをつけたら、遺族の代表者(弟を失った下浦さん)の言葉がNHKで放映されていました。下浦さんの横顔と言葉を、かなり長い時間でしたが、カメラは追い続けていました。
まず、普段は見慣れない超長まわしの映像に驚くとともに、他局がほとんど放映していないこの地味な映像を流しつづけるNHKを、すこし見直しました。


テレビで流す映像は、あまり同じシーンが長く続くと視聴者が飽きてしまうので、普通だと長くても10秒くらいが限度です。事件事故の現場の映像などは特例ですが。昨日のは慰霊式ですからね。あれだけ長まわしをするのは、なかなかの英断だと思いました。


はじめは書類を整理しながら見ていたのですが、いつのまにか食い入るように見ていました。インパクトのある映像でした。
下浦さんの言葉でもっとも印象に残ったのは、JR西日本への不信感がいまだに払拭されていないという遺族の気持ちを述べた部分でした。2年も経過しているのに、遺族からあのような不信感丸出しの言葉が発せられるということは、よほどのことなのではないかと思わざるをえません。


読売新聞によれば、「被害者に対する補償は、負傷者の約3分の2と示談が成立したが、遺族との交渉は進展していないとみられる」(ヨミウリオンライン、2007年4月25日)とのこと。
まあ、何が起きたとしても、通勤や通学で利用する人がいるのですから、JR西日本の利用者は簡単には減らないのでしょう。昨日の遺族の言葉を聞くと、同社がそんな実状に安住し、問題を先送りしていると思われても仕方がありません。