ハマのメリーさん

lelele2006-02-07


私が横浜に住んでいたのは、1982年から90年の8年間でした。
中区で暮らし、働いていたのは横浜港周辺だったので、伊勢佐木町は「庭」のような場所でした。
その伊勢佐木町のメインストリートに、ときどき夜中にあらわれる真っ白なおばあちゃんがいました。うつむきながら、街角のベンチにぽつねんと座っていたおばあちゃんは、ハマのメリーさんと呼ばれていました。
メリーさんの詳細は、よく知りません。いつも荷物をたくさん持っていました。昔から横浜に住む人は、メリーさんが娼婦なのだといいます。髪の毛も白、化粧も白、服も白、腰が曲がり、いつもうつむいている。そんなおばあちゃんが娼婦だなんて……。
こういうのが、都市伝説というのでしょうか。
メリーさんは、私がカンボジア滞在中の95年に、忽然と伊勢佐木町から姿を消したんだそうです。

ショーケン(といっても若い方にはわからないかな。萩原健一さんです)が、アンドレ・マルロー・バンド(井上尭之さんやミッキー吉野さんら、すごいミュージシャンが集まったバックバンド)と活動していたのが、ちょうど私が横浜にいたころでした。そしてショーケンは当時、よく「メフィスト・ガール」という曲を歌っていました。この曲は、たしかハマのメリーさんのことを歌ったものだと記憶しています。

そんなハマのメリーさんの生き様が、映画化されたようです。その名も「ヨコハマメリー」(中村高寛監督、ナインエンタテインメント配給)。テアトル新宿と横浜ニューテアトルで、4月に「奇跡のロードショー」。
音楽でコモエスタ八重樫さんが参加、宣伝美術で鈴木一誌さんが参加、イラストで宇野亜喜良さんが参加……。なんか、すごい人たちがこの映画に協力しています。

この映画のチラシ(写真参照)は、「ホテル・ルワンダ」を観にいったとき、手に入れました。インパクトがありますね。たしかにメリーさんは、こんな感じのおばあちゃんでした。
このつづきは、映画を観てから書こうと思います。