ライブドア事件と呪われた部分

lelele2006-02-09



「ある往復書簡」と題された2月8日付「きっこの日記」は、かなりインパクトがある内容です。日常的なメディア報道においてはおそらく見えないような部分を、そして何よりも不気味な部分を、あからさまにしつつあります。

エイチ・エス証券の野口英昭副社長が沖縄で怪死した事件。「週刊文春」が三週連続で、「自殺は疑わしい」という前提で取材した記事を掲載しています(写真は「週刊文春」2月16日号の目次)。「きっこの日記」を読むかぎりでは、きっこさんはすでに「自殺は疑わしい」理由を知っているようです。すごい取材力だと思います。もちろん信憑性については、読んだ個々人が判断すればいい。

きっこの日記」の記述が確かならば、かなり注目されている人であっても、ある見えないシステムに入り込むと、かなり簡単に自殺だと見せかけて殺すことができる。そんなとんでもないシステムが、日本にはあるのかもしれませんね。誰かがAさんを殺す。しかし、殺したのではなく、自殺したように偽装する。さらに、Aさんの死因が自殺ではないとわかっていても、何らかの強力な圧力がかかることにより、官憲もマスコミもAさんの死因を自殺で済ませてしまう可能性がある。

こんなことを書いたからといって、危機を煽る意図はありません。きっこさんが事件の実像を暴いてしまった瞬間に、「なんだ、そんなことだったのか」と納得し、安堵するのかもしれません。だかしかし、いまはそのシステムが見えません。見えないと、不気味に思えてなりません。私にできることは、官憲とマスコミを抑えているその強い圧力が、きっこさんに及ばないことを、ただただ祈るのみ。

一連のライブドアにまつわる大金の流れ。とりわけ堀江元社長の放蕩。ばらまき。カネと権力をめぐるホニャララ団や政治家とのつながり。重要人物の怪死。祭りのように騒ぐマスコミ。固唾を飲んで事件報道を見聞きする私たち。
麻雀ではありませんが、これだけ指が折れると、バタイユの「呪われた部分」を想起せずにはいられないのは、きっと私だけではないでしょう。