後出しジャンケン

lelele2006-02-15


ライブドア事件について、ライブドアのwebページで、山形浩生さんがコメントしています。
http://blog.livedoor.jp/ld_opinion/archives/50214752.html

東浩紀さんが『論座』3月号へ寄稿した文章について、「ホリエモンに夢を託すのは現実逃避だ、とかいうどうしようもない後出しじゃんけんも甚だしい駄文を書いていますが」と酷評。とりあえず、いい悪いは抜きにして、現在活躍している言論人で、これだけズバッと書ける人はあまりいません。貴重だと思いました。尊敬しております、山形さん。

たしかにホリエモンの評価については、後出しジャンケンが多いですね。ワイドショーのコメンテーターなんて、超・後出しジャンケンで物をいっています。あれだけ便利にホリエモンを使っていたテレビ局も、そのことにはほおかむりをして後出しジャンケン自民党の人たちも。一部の新聞・雑誌も。

拙ブログでさんざん書いてますが、こういうときには悪者(と世間でいわれている人への)バッシングばかりをしていても、事の本質は明らかになりません。悪者の論理をしっかりと調べ、聞き入れ、理解することが重要なのだと思います。それをせずに、ただただ悪者バッシングばかりしていると、なぜそのことが起きたのかという点がうやむやなうちに、ニュースバリューがなくなって、事件の存在が忘れ去られてしまいます。

たとえば、往来堂書店の店長がホリエモン逮捕の日のブログで「いまテレビではいっせいに『私も怪しいとおもってました』とか、『虚業』とか、『カネの亡者』とか言い出してるけど、いままで黙ってて、急にそういうこと言い出すのはとてもみっともない。その意味でイチバンえらいのはデーブ・スペクターでした」と後出しジャンケンの論理について真っ当なことを書きました。すると、「小泉改革を推進するために、ライブドアを黙認しろと言いたいのでしょうか? 変な陰謀説に取り付かれて頭がいかれてしまったのでは?」などというコメントがつくわけです。店長が指摘しているのは、ライブドアがいい悪いということではなく、後出しジャンケンの問題なのに、なぜかライブドアを擁護する人は「頭がいかれている」という論理にすり替わっています。なんでこうなっちゃうんだろう……。
http://d.hatena.ne.jp/oiri/20060123

念のためにいっておきますが、私はホリエモンを擁護しているわけではありません。とはいえ、ただただ逮捕されたからとか悪いからといって悪者の論理を無視したうえで、自分が正義だという前提の後出しジャンケンで一方的に物をいうのは、あまり感心できることではないと思うのです。そういう一方的な論理は、そのときは気分がいいのかもしれません。しかし、事の本質が見えないままで騒ぎが終息すると、おそらく同じようなことが繰り返されて、ふたたび後出しジャンケンの論理にハマっていくことになるような気がします。

というわけで、意味もなくチョキの写真を撮ってみました。(笑)